デジタルツインと統合されたオートメーションでバッテリーセル製造を高速化

デジタルツインと統合されたオートメーションでバッテリーセル製造を高速化
Manz AGの革新的なレーザータブ溶接ソリューション

バッテリー製造のための革新的なレーザータブ溶接工程を、アイデアから市場性のある機械へと効率的に発展させるために、Manz AGはデジタルツインと統合されたオートメーションのソリューションの3つを重要な要素としました。

世界では、電気自動車の販売が急増しています。 2021年、ドイツでは新規登録された自動車の5台に1台が電気モーターを搭載していました。 また、電気自動車のシェア拡大は、バッテリーの需要、さらにはバッテリーの生産能力を増加させる要因となっています。 ドイツ ロイトリンゲンに拠点を置くManz AGは、バッテリーセル製造のためのハイテクソリューションを提供し、このような新しい機会を最大限に活用していると、Manfred Siekmann氏は話しています。 彼は、現在の好況を持続的な成長に変えることが会社の主要な課題の一つであると考え、「バッテリーの性能の向上とコスト削減の両方を実現する生産ソリューションが必要です」と述べています。

Manz AG:近い将来の生産工程の設計

Manz AGは、ドイツ南部のロイトリンゲンに本社を置き、現在1,400人の従業員を抱えるグローバルに活動するハイテク エンジニアリング企業です。 Manz AGは、実験室生産用やパイロット生産用、少量生産用のカスタマイズされたスタンドアローン機から、標準化されたモジュールやシステム、大量生産用のターンキーラインまで、革新的で効率の良い生産ソリューションを開発・構築しています。 また、リチウムイオンバッテリーのセル、モジュール、パックや、電気自動車、定置用エネルギー貯蔵、電子機器向けキャパシターの製造装置を提供する大手サプライヤーの一つでもあります。

Manz社のバッテリーテクノロジー部門は、将来のリチウムイオン電池工場に向けた革新的なプロセスや一貫した生産ラインを開発し、欧州における持続可能で競争力のあるバッテリー産業の発展に貢献しています。

革新的な技術で、品質・性能・安全性の向上を実現

その一つが、バッテリーセルのタブの溶接工程を最適化するレーザータブ溶接です。 従来の超音波溶接に比べ、溶接品質の向上と安定した溶接が可能になります。 さらに、レーザーシステムは異なるセルデザインに容易に対応でき、メンテナンスもほとんど必要ありません。 これらの利点は、バッテリーセルの製造コストの大幅な削減にもつながります。 Manz社は、Siekmann氏を技術プロジェクトマネージャーとして、この革新的なプロセスを新たに開発した機械で実現しました。

複雑なプロセスに対するリーンソリューション

開発プロジェクトは時間的にも予算的にも大きなプレッシャーがあったため、Manz社はソリューション全体の複雑さを軽減するために、新しいオープンなオートメーションのソリューションを選択したとSiekmann氏は振り返ります。 彼は次のように説明しています。「レーザータブ溶接機は、複数の内部および外部インターフェースをサポートする必要があります。そのため、私たちや将来のユーザーにとって使いやすいように、よく構造化され、メンテナンスが容易なプログラミングと、一貫性があり使いやすい操作システムを備えた無駄のないオートメーションのソリューションを使用したいと考えました」 。適切なソリューションを選択するにあたり、システムエンジニアのStephan Lausterer氏と制御システム開発者のMarcel Bradl氏のチームは、統一され統合されたプラットフォームを優先して使用することにしました。 

Bradl氏は、「以前は、さまざまなサプライヤーから供給される部品を自社ソリューションに組み込むことが多く、そのためにエラー診断やトラブルシューティングが難しくなることがありました」と説明します。 このため、新しい機械には、フェールセーフ機能を備えたSIMATIC ET 200SPオープンコントローラーSIMATIC HMI WinCC Runtimeオペレーターシステム、およびSIMATIC IFP1900 Basic Flat Panel20インチディスプレイがマシン上のオペレーター装置として搭載されています。 オートメーションソリューション全体はTIAポータルで設計され、機械のビジュアル化はHMI Template Suiteを使って実装されました。

開発者、ユーザー双方にとってのメリット

また、Manz社はシーメンスのバッテリーガイドラインを利用して、マシンインターフェースの標準化を行いました。 「こうすることで、エンジニアリング費用を20%削減できる見込みです」とLausterer氏は説明しています。 統一されたツールと統合されたシステムプラットフォームにより、ユーザーアプリケーションの効率的な実装も可能になります。彼は、「TIAポータルのプログラムは明確に構成されており、理解しやすいので、アプリケーションエンジニアは特定のプロジェクト要件に集中できます」と述べています。 同じレベルの明確さは機械のユーザーインターフェースにも適用され、Siekmann氏は新しいソリューションのさらなる利点として次のように強調します。 「インターフェースが非常に直感的なので、ユーザーは少しのトレーニングで機械を自信を持って操作できるようになり、とても気に入っています。」

デジタルツインで最適化されたエンジニアリング

Lausterer氏は、ソリューションのライフサイクル全体にわたって、開発の効率性が向上することを確信しています。「ソフトウェアの設計から試運転、テストに至るまで、標準化によってコストを削減することができ、それが結果的にユーザーの利益にもつながるのです。」また、シーメンスとのコラボレーションは、他のイノベーションももたらしました。 「レーザータブ溶接機の開発で最も苦労したのは、短期間のスケジュールでした。 そのため、最初にシーメンスと密接に協力して要件と機能を定義し、共同プロジェクトのロードマップについて合意しました。」このロードマップには、SolidEdgeの設計環境からNX MCDで直接、機械のデジタルツインを作成することも含まれていました。 

そうすることで、開発者はデジタルモデルを使ってテストと最適化を行うことができ、物理的な機械としてのソリューションの実装を大幅に簡素化することができたのです。 「機械設計、電気設計、ソフトウェア設計のすべてが融合し、機械設計から試運転までのエンジニアリングプロセス全体を効率化することができます。」とLausterer氏は説明、「今後のプロジェクトにおいて、実際のデータでこのメリットを証明できると確信しています。」と述べています。

研究開発から積極的な生産へ

Siekmann氏にとっても、これは開発プロジェクトの重要な成果だった。「私たちにとって、ほとんどすべてのプロジェクトで市場投入までの期間が重要です。 デジタルツインは、新しいソリューションをより早く市場に投入し、高品質を実現し、納期を短縮するのに役立ちます」 Bradl氏はすでに一歩先を考えています。「現在、他の種類の機械にもシーメンスの統合ソリューションを装備し、より多くのお客様にこれらのメリットを提供できるように取り組んでいます。」