SIMATIC WinCC(TIAポータル)ES

TIAポータル内の可視化エンジニアリング
WinCCエンジニアリングソフトウェアには、すべてのSIMATIC HMIデバイスをエンドツーエンドで設定できる革新的なエンジニアリングツールが含まれており、価格とパフォーマンスの異なるさまざまなバージョンで提供されています。各バージョンがその下位バージョンに基づき、個々のオペレーターパネルクラスに合わせてきめ細かく最適化されています。上位のソフトウェアパッケージには、下位パッケージの構成オプションが常に含まれます。WinCC Comfort以降では、パワーパックを使用して上位パッケージにアップグレードできます。
TIAポータル内でのSTEP 7との完全な連携により、複数エントリを防止して常に一貫したデータマネジメントを実現します。エンジニアリングフレームワークにソフトウェア製品が統合されているので、すべての共有ファンクション(およびその画面表示)が標準化されます。
ユーザーにもたらされるメリットは、インテリジェンスが組み込まれたエディターによる直感的な操作から共有データベースが持つ利点まで多岐にわたり、最高レベルの透明性と完全な一貫性が提供されます。
再利用できるためエンジニアリング作業が軽減され、同時にソリューションの質も高くなります。再利用できるのは開発およびテスト済みの既存のエンジニアリングブロックだけでなく、ソフトウェアを使用して獲得した知識も同様です。
包括的なライブラリーコンセプトによって、シングルオペレーターコントロールから可視化ソリューション全体までをあらゆる新規プロジェクトで使用できます。
利点
- 最新ソフトウェアテクノロジに基づく革新的な設定インターフェース
- ユーザー定義可能なオブジェクトとフェースプレートを含む包括的なライブラリーコンセプト
- インテリジェントツールによるグラフィカル設定と大量データ処理
TIAポータルエンジニアリングフレームワーク内での完全な連携
TIAポータルは、さまざまなオートメーションタスクのエンジニアリングシステムを初めて1つに集約したプラットフォームです。共有フレームワークと統一インターフェースを備え、類似したオートメーションタスクに同じコンフィギュレーションを適用することで、短期間での習熟を高い認識度で実現します。
何十年もの間、オートメーションソフトウェアの開発は機能性と効率の向上に重点が置かれてきました。エンジニアリングソフトウェアは開発を通じて、高度に専門化され、特定のタスクに合わせてカスタマイズされたツールになりました。ソフトウェア人間工学の重要性が高まったことでソフトウェア開発者はようやく、各自のツールだけに目を向けるのでなく、ユーザーインターフェースに関する他の開発者のアプローチを考慮に入れ始めました。ソフトウェア製品の外観と操作性もまた、オフィスソフトウェアの影響によってさらに均一になりました。
今回の開発でTIAポータルが踏み出したのは、類似性から共有へ、関連付けから統合へ、という新たな論理的段階です。
機能を損なうことなく、操作上の理念とデータモデルを実現します。
多くの場合、サービス担当者やプラント担当者が特定のプロジェクトに精通したり、個別プロジェクトの詳細を分析したりすることは簡単ではありません。このような場合に最適なツールは、プロジェクト内に定義されたすべてのタグ、画面、ファンクションの(フィルタリングされた)一覧表を含む相互参照リストと、画面プロパティの一元表示です。オブジェクトの使用箇所や選択されたオブジェクトが使用している他のオブジェクトが、各種ビューに表示されます。相互参照リストに対するプログラムの制限はないので、画面オブジェクトのリンクされたPLCタグもそれぞれのブロックに表示されます。このため、TIAポータルではプロジェクト内が透明化され、長期間経た後でも設定を変更しやすくなります。
即座に使用できる診断機能
モジュールやデバイスのうち障害の発生したものや不完全なものを即座に把握することが、ダウンタイムの長期化を避けるためには不可欠です。そのためには、プラントの常時モニタリングが極めて重要です。TIAポータルは、即座に使用可能な診断メカニズムでサポートします。診断設定を広範に追加する必要はありません。システム診断用のデバイスを起動すると、[Devices and Networks]エディター内で設定したプラントレイアウトに基づくアラームが生成されます。これらのアラームはHMIに表示できます。また、コンフォートパネル向けにWinCCが提供する診断ビューアに、情報およびアラームが自動的に表示されます。
インテリジェントツールによる効率的な設定
オートメーションソリューションのライフサイクルにおいて、エンジニアリングコストは総コストの50%を占めています。コストの大幅な削減を目指すなら、オペレーターが直感的に理解できる、シンプルで効率的な設定ツールが必要です。これを実現するのがSIMATIC WinCCです。
将来にも対応できる設定
時間を節約する構成とは、タスクを振り分けることです。SIMATIC WinCCは定型タスクを行うウィザードを通じてプロジェクトエンジニアをサポートします。その一例であるデバイスウィザードでは、デバイス作成時に最も重要な設定を正しく設定することができます。ユーザー定義設定を保存しておき、別のデバイスの作成時に直接インポートできるので、もう一度定義する必要がなくなります。これにより、生産ラインのすべてのデバイスで、基本設定と外観を一致させることができます。
似たようなWinCCプロジェクトがすでに存在し、大半の設定をインポートできることも少なくありません。ターゲットデバイスが異なる場合も設定を自由に拡張できるので、ゼロから設定を開始する必要はありません。機械レベル領域で、デバイスのスイッチオーバーによりターゲットのHMIデバイスを容易に切り替えることができます。システムでは、相違する可能性のあるファンクションに関する詳細情報と、設定を適合させるための詳細仕様が提供されます。エンジニアリングシステムはパネルからSCADAまでにわたり統一されているので、WinCC Runtime Professionalのデータをインポートすることもできます。システムの拡張とこれに伴うプロジェクトの変更は、最小限のコストで実施できます。
細部まで便利な設定
エンジニアリングにかかる時間は高コストであるにもかかわらず、時間のかかる細かい作業に浪費されていることが多くあります。専用グラフィックソフトウェアで見慣れたものを含め、ユーザーフレンドリーなファンクションがあれば、視覚的に引き立つ正確なHMI画面を迅速に作成できます。グラフィックエディターでは、調節可能なグリッド、表示/非表示を切り替えられるスナップライン、横位置/縦位置の中央揃え機能、隣接オブジェクトとの均等配置および整列を使用して、画面オブジェクトの整列と配置などを行えます。時間のかかるピクセル修正を手作業で行う必要はもうありません。
WinCCの[Screens]エディターは、32の画面レイヤーを使用した設定をサポートしています。複数のオブジェクトが重なり合った複雑な画面の場合、個々のレベルを非表示にすることで全体がより明確になります。このため、画面オブジェクトを含むすべてのレイヤーは[Layout]タスクカード内にわかりやすく表示されます。エディターの中心点では、オブジェクトを簡単にレイヤー間で動かすことができます。オブジェクトのプロパティに指定されたレイヤーは自動的に更新され、グループ化されたオブジェクトも同様に処理されます。ドラッグ&ドロップを使用することで、グループとの間で個々のオブジェクトを簡単に削除、追加、分離、移動できます。どの画面オブジェクトでもグループ化できるので、多数の個別要素を操作するときに役立ちます。グループ化されたオブジェクトのプロパティはすべてグループに表示され、グループを解除せずに変更できます。
動的な表示の設定
アニメーションや動的なオブジェクトは小細工などではなく、操作時の使い勝手を高める有効な手段であることが以前から知られています。オブジェクトの色の変更やフェードイン/フェードアウトなどの視覚的な刺激にオペレーターが反応する速度は、テキストメッセージを理解するよりもかなり速く、解釈を間違えるリスクも大幅に低くなります。
また、副次的な効果も軽視できません。画像を使うたびに、多言語設定の翻訳コストを削減できます。HMIデバイスのディスプレイ品質および解像度が上がり、パフォーマンスが高くなれば、より複雑なアニメーションを統合できるようになります。WinCCでは、動的なオブジェクトを最小限の時間で生成できます。プログラミング知識は必要ありません。Runtime製品の多数の標準タスクでは、事前に定義されたファンクションをドラッグ&ドロップで簡単に選択できます。個別に大きく異なる要件がある場合、統合されたVBスクリプトを使用して動的な表示を実装できます。
表を使用した設定
オートメーションタスクは通常、異なる焦点ごとにグループ化され、それぞれに専用の入力画面が提供されます。たとえば、画面作成、アラームシステム、タグマネジメント、ブロック、デバイス設定などのためのエディターがあります。TIAポータルのさまざまな箇所で、ユーザーが素早く簡単に全体を把握できるように表形式のエディターが使用されています。統一された外観によって一見しただけですぐにエディターを使いこなせ、多数のオブジェクトを同時に変更できるうえ、プロパティのコピーも簡単なので、確実に効率が上がります。よく知られたオフィス機能をTIAポータルで使用することで、大量データを迅速かつ効率的に設定できます。
たとえば、マウスを1回動かすだけで何百ものタグがインテリジェントに作成され、プロパティが保持されるか、オブジェクト名が適宜変更されるか、またはアドレスが自動的に追加されます。
この方法では、各エディターが個別の専用タスクの実装をサポートし、たとえばアラームエディターはアラーム設定に対応します。多くの場合、エディター間の相互関係を追跡するのは困難です。このため、WinCCタグエディターではオブジェクト指向アプローチを採用しています。タグの設定に加えて、このタグがアラームを起動してこれをロギングするかどうかの決定も下すことができます。これにより、初めてのプロジェクト作成が容易になるだけでなく、既存の設定の全体像をあとから簡単に確認できます。
インテリジェントなコピー&ペースト
構成ブロックとライブラリーの使用は、コピー機能自体と同様に以前から使用されてきたテクニックです。これらのテクニックには、時間の節約、再利用可能性、保証された品質などの明らかなメリットがありますが、現実では、ライブラリーコンセプトに実装されたライブラリーの概念がどれだけ包括的で一貫しているかに直接的に依存します。
以下にその例を挙げます。
- ユーザーがライブラリー内に保存して取得するオブジェクトは、特定の複雑さを持つオブジェクトに限られるか。
- ライブラリー要素を不正アクセスから保護できるか。
- ライブラリーをプロジェクトに統合できるか。または、プロジェクト間で使用できるように計画的に作成できるか。
- ライブラリー要素をプロジェクトに統合するのに必要な変更作業はどの程度か。
再利用可能という利点が十分活用されるのは、ライブラリーコンセプトが非常に高いフレキシビリティ、実用性、ユーザーの使い勝手をすべて備えている場合に限られます。
TIAポータルのライブラリーコンセプトは、これらの要件を完全に満たしています。
ライブラリー - バージョンとオブジェクト
ライブラリーは、制御プログラムの作成時とHMIアプリケーションの設定時に同じ範囲で使用でき、プロジェクトの要件に合わせてユーザーごとに異なる方法で構成できます。シンプルなHMI基本要素や画面全体から、全面的に設定されたHMIデバイスまで、あらゆるタイプの設定オブジェクトをライブラリーに含めることができます。ライブラリー内で保管するオブジェクトは一度だけ設定すればよく、その後は必要に応じて何度でも再利用できます。
ライブラリーには以下の2つのバージョンがあります。
現在のタスクで頻繁に必要になるオブジェクトは、プロジェクトライブラリー内にローカルに保管されます。プロジェクトライブラリーはプロジェクトに属し、プロジェクトと同時にオープン、クローズ、保存されます。
複数のプロジェクトにわたって使用されるオブジェクトは、グローバルライブラリー内で管理されます。グローバルライブラリーはファイルサーバーなどに保存され、複数のユーザーによって利用されます。
ライブラリーに含まれるオブジェクトには以下の2つの基本タイプがあります。
一元的に変更できるオブジェクトとしてのタイプ
設定オブジェクトの単純なコピーであるコピーテンプレート
あるタイプが変更されると、プロジェクト内でこのタイプを使用しているすべての箇所がライブラリーマネジメントシステムによって自動的に更新されます(ユーザーが更新を承認した場合)。タイプには、ユーザー定義のデータタイプ(HmiUDT)とフェースプレートがあります。ユーザー定義データタイプを使用すると、複雑なオートメーションオブジェクト(ステータスと制御値を持つモーターなど)のデータを1つのユニットとして表すことができます。フェースプレートへのインターフェースとして、同じデータタイプを持つ構造化タグのうち1つのみをブロックインターフェースに割り当てることができるので、配線オーバーヘッドが削減されます。
フェースプレート
フェースプレートは表示オブジェクトと操作オブジェクトからなるグループとして作成され、ライブラリー内のその他の画面オブジェクトと同様に使用できます。フェースプレートはインターフェースを介してプロジェクトに統合されます。このインターフェースには、ランタイムでブロックが機能するために重要なユーザー定義プロパティのみが設定されます。このため、ユーザーはこの集約インターフェースだけを使用して、動的なブロックプロパティとブロック内の画面オブジェクトを定義できます。この一元変更機能により、この時点で、または以前に使用したフェースプレートインスタンスを後で拡張するときに、エラーを修正しやすくなります。
WinCCの標準HMIライブラリーでは、拡張性に優れ、動的に表示できるオブジェクトをあらかじめ多数提供しています。
[Buttons-and-Switches]には、事前定義された多数のスイッチとボタンが含まれています。
[Monitoring-and-control-objects]には、関連付けられた制御ランプ、ボタン、スイッチなど、複数の設計にわたるより複雑な操作オブジェクトと表示オブジェクトが含まれます。
[HMI Symbol Library]には、パイプ、モーター、バルブなど、機械とプラントを表示するためのテクノロジおよび業界固有のオブジェクトが多数含まれます。
拡張性、多言語、将来性への対応
エンジニアリングソフトウェアのオープン性はさまざまな面に表れており、
スクリプトを利用した個別機能の拡張、大量データのインポート/エクスポート(プロジェクトテキストを外部で翻訳する場合など)、投資保護のためのプロジェクトデータの移行などを実行できます。オープン性は包括的なランタイムシミュレーションを行うための前提条件なのです。
スクリプトを使用した個別拡張
通常、画面、リンク、動的プロセスはシンプルでユーザーフレンドリーなダイアログを介して設定されます。柔軟な個別拡張が必要な場合、習得が簡単で強力なVisual Basicベースのスクリプト言語であるVBScriptを使用できます。また、ユーザーフレンドリーなエディターとコードテンプレートによりプログラミングが容易になります。スクリプト内のオートコンプリート機能を使用すると、ランタイムオブジェクトへのアクセスとコントロールシーケンスの作成を迅速にプログラミングできます。デバッグはエンジニアリング時にシミュレーター内で、必要な場合はランタイム中にも実行できます。
WinCC Runtime ProfessionalにはANSI-Cスクリプトの統合オプションがあります。WinCCのすべてのグラフィックオブジェクトが持つプロパティおよびメソッド、ActiveXコントロール、他社製アプリケーションのオブジェクトモデルにスクリプト自体からアクセスできます。これにより、オブジェクトの動的な動作を制御できるだけでなく、WinCCと他社製アプリケーション(Microsoft Excel、Microsoft SQLデータベースなど)の接続を容易に確立できます。
多言語プロジェクトのサポート
機械メーカー各社は通常、世界各地の顧客に製品を供給 しています。長い間、ユーザーインターフェースのローカリゼーションは グローバル競争の観点から見て絶対不可欠な機能でした。同時に、 機械メーカーとプラント建設業者の顧客構成が ますます多国籍化する一方で、 生産性および品質保証上の理由から、 プラント内の生産プロセスをグローバルで標準化することが要求されています。機械メーカーのサービス 担当者は各国のプラントでサポートを提供するため、 使い慣れたインターフェース言語への切り替え機能は 遠隔サービスと現場サービスの両方で有効です。 また、プラントのオペレーターによって 各種言語の能力が異なることも現在では珍しくないので、 操作上の安全性の観点からも 各自の母語に切り替えられるのが理想的です。これらすべての理由から、 HMIソフトウェアでは言語的な多様性を制限しないと 決定しています。
WinCCは、多言語設定の作成用に最大32の言語をサポートしており、 そのうち最大32の言語を操作時にも選択できます (ターゲットシステムによって異なる)。アジア文字セットとキリル文字セットもサポート対象に 含まれます。エンジニアリング時には、選択可能ないくつかのビューで、 設定オブジェクト( 操作画面やアラームなど)のコンテキストに多言語テキストを直接入力できます。言語依存テキストには 一元的なアクセスも可能です。集中型のプロジェクトテキストエディターからすべての テキストにアクセスできるので、 エンジニアリングシステム内のテキストを素早く簡単に翻訳できます。また、HMIアプリケーションのすべての言語 バージョンを1つのプロジェクト内に実装でき、プロジェクトが変更されると、 作成されたすべての言語バージョンがただちに 更新されます。
オープンXLSX形式( Microsoft Excelでもサポート)を使用したインポートおよびエクスポートインターフェースを使用すると、外部のツールを使用して エンジニアリングシステムの外部でプロジェクトテキストをUnicode処理することができます (サービスプロバイダーによる翻訳など)。これは特に、 グローバルな機械メーカーが WinCCプロジェクトを輸出用にアジア象形文字言語 (中国語、台湾語、韓国語、日本語など)に翻訳したい場合などに適しています。
国別の機能はテキスト以外にも使用できます。 各国固有の条件に合わせてグラフィックを変更しなければならない事例は数多くあり、 特定の色の使用を除外したり、 地域内で確立している操作シンボルを考慮に 入れたりすることが想定されます。このため、システム内の集中型グラフィック コレクションでも多言語グラフィックの管理が サポートされています。
設定データの移行による投資の保護。
実装済みのソリューションおよび設定や、多大な専門知識と労力を費やして作成されたアプリケーションは、機械メーカー、プラント建設業者、システムインテグレーターにとって最も価値の高い資産の1つです。このため、投資を保護するには、エンジニアリングソフトウェアにおけるどのようなイノベーションも(それがどれだけ広範囲にわたり、どれだけ革新的でも)、お客様のエンジニアリングの成果物が、使用不可になる状況を招いてはなりません。SIMATICソフトウェアはこれまで常に、可能な限り最大の範囲にわたる移行を可能な限り低コストで実行できるような方法で開発されてきました。
WinCCファミリーのプロジェクトの移行
WinCC(TIAポータル)では、WinCC flexible 2008 SP2バージョンに含まれるWinCCフレキシブルオブジェクトを移行することができます。エンジニアリングデータは移行後にWinCCで使用できます。また、ログやアラームなどのRuntimeデータを移行時にインポートできます。このため、稼働中システムの履歴が移行後に失われることはありません。WinCC V7を使用して作成されたプロジェクトの場合、WinCC(TIAポータル)の将来バージョン内でコンバーターが提供される予定です。
大量データのエクスポート/インポート
HMIタグ、アラーム、テキストリストなど、その設定データが定義済みのデータを簡単にTIAポータルプロジェクトにインポートすることができます。これにより、HMI設定データを容易に作成できます。HMIタグとアラームのエクスポートも可能です。インポート/エクスポートの形式には、各種アプリケーションで提供されているOpen Office XMLが使用されます。
テキストのインポート/エクスポート
プロジェクトの共有テキストライブラリーに保管されているテキストもエクスポートできます。これは、エンジニアリングソフトウェアから独立してテキストを翻訳する場合に役立ちます。エクスポートデータの形式もオープン規格であるOpen Office XMLです。テキストをエクスポートするとき、使用箇所や対応する画面名およびアラーム名なども一緒にエクスポートされるので、文脈に合わせて翻訳することができます。翻訳後にXMLファイルをTIAポータルプロジェクトに再インポートすると、設定データ内で翻訳テキストを使用できます。
ランタイムシミュレーション
シミュレーションシステムは、プログラムおよび実際のアプリケーションの開発を効果的にサポートします。
コントローラーやプロセスを含むシミュレーションテスト環境により、試運転時間やコストなどを削減できます。プロジェクトの進行状況、テスト対象機能、統合レベルに応じて、3種類のシミュレーションが提供されています。
タグテーブルを使用したHMIタグのシミュレーション
コントローラーの接続やプロセスの実行なしで、タグシミュレーターを使用して設定をテストすることで、HMIプロジェクトの内部一貫性をコスト効率良く確認することができます。設定されたタグがシミュレーター内でシミュレーションされ、たとえば、設定された色の変更がタグの値パターンと一致するかなどがチェックされます。シミュレーション中に、設定されたタグを操作、有効化、無効化できます。シミュレーターで実行できるタグのシミュレーションは多岐にわたります(正弦、ランダム、インクリメントなど)。シミュレーションコントローラー(PLCSIM)を使用したHMIプロジェクトのシミュレーション
WinCC設定とPLCのインタラクションをテストするために、エンジニアリングPC上で、シミュレーションコントローラー(PLCSIM)と組み合わせてプロジェクトをテストすることができます。シミュレートされるPLCプログラムの値を使用して、パワータグが直接提供されます。実際のコントローラーを接続したHMIプロジェクトのシミュレーション
WinCC設定と実際のコントローラーを接続するシミュレーションでは、最大レベルの統合と精度が得られます。このケースでは、PROFIBUS、イーサネット、またはPROFINETを使用して、WinCCシミュレーションをプラント内のPLCに直接接続します。プラント内の実際のプロセスの値を使用して、パワータグが直接提供されます。
サポートされるオペレーティングシステム(64ビットのみ)
- Windows 7(64ビット)
- Windows 7 Home Premium SP1(WinCC Basicのみ)
- Windows 7 Professional SP1(WinCC Basic、Comfort、Advancedのみ)
- Windows 7 Enterprise SP1(WinCC Basic、Comfort、Advancedのみ)
- Windows 7 Ultimate SP1(WinCC Basic、Comfort、Advancedのみ)
- Windows 10(64ビット)
- Windows 10 Home Version 1809 / 1903(OS Build 17763 /18 362)(WinCC Basicのみ)
- Windows 10 Professional Version 1809 / 1903(OS Build 17763 /18 362)
- Windows 10 Enterprise Version 1809 / 1903(OS Build 17763 /18 362)
- Windows 10 Enterprise 2015 LTSB(OS Build 10240)
- Windows 10 Enterprise 2016 LTSB(OS Build 14393)
- Windows 10 Enterprise 2019 LTSB(OS Build 17763)
- Windows Server(64ビット)
- Windows Server 2012 R2 x64 StdE (フルインストール)
- Windows Server 2016 Standard (フルインストール)
- Windows Server 2019 Standard (フルインストール)
Compatibility Tool
Compatibility ToolはIndustry Online Supportが提供するツールであり、互換性のあるソフトウェア製品の選択や既存の設定との互換性確認のために、このツールを使用できます。
拡張可能なエンジニアリングパッケージ
SIMATIC WinCC ES(TIAポータル) - 基本システムのライセンス
WinCC Engineering Softwareは価格とパフォーマンスが段階的に設定されており、お客様の特定のオペレーター制御およびモニタリングデバイスに合わせたカスタマイズが可能です。WinCC製品内での上位互換性が常に提供され、パワーパックの購入によりバージョンをアップグレードできます。
以下のライセンスが提供されています。
SIMATIC WinCC Basic(TIAポータル)
SIMATIC HMIベーシックパネルの設定用(WinCCベーシックはSTEP 7 Basicソフトウェアパッケージの一部であり、アップグレードはできません)SIMATIC WinCC Comfort(TIAポータル)
SIMATIC HMIコンフォートパネル、モバイルパネル、x70パネル、マルチパネルの設定用SIMATIC WinCC Advanced(TIAポータル)
PCベースのHMIシングルユーザーソリューションの設定用SIMATIC WinCC Professional(TIAポータル)
プロセスの可視化およびSCADAアプリケーション用
(3つのバリエーションで提供、512/4096/最大数のパワータグ1))
1)パワータグと呼ばれるのは、WinCC通信チャンネルを介してコントローラーやその他のデータソースに接続されるプロセスタグのみです。1つのパワータグから最大32のアラームと最大256のユーザー定義可能なアナログアラームを生成できます。さらに、システムパフォーマンス向上のため、プロセスリンクされない内部タグを無料で利用することができます。

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