SIMATIC WinCC(TIAポータル)のオプション

要件に合わせて、ランタイム機能をカスタマイズできるWinCC RT AdvancedおよびWinCC RT Professional
SIMATIC WinCCはお客様の要件に合わせてカスタマイズできます。WinCC RT AdvancedおよびWinCC RT ProfessionalによるPCベースのHMIソリューションには、マシンやプラントのオペレーター制御およびモニタリングに欠かせない機能がすべて揃っています。タスクの範囲が拡大しても、追加オプションを利用することで機能を補完できます。
シングルユーザーシステムから分散アーキテクチャーまで
WinCCにはベーシックシステムの状態からすでに拡張容易性がありますが、システムを簡単に拡大、最新化するための各種オプションも用意されています。たとえば、拡張可能な構成用のオプションを使用すれば、クライアント/サーバーシステムの開発や、冗長化アーキテクチャーのセットアップによるシステム可用性を拡充できます。
WinCC RT Professionalのオプション
同じプロセスを複数のオペレーターステーションでモニタリングする場合にはマルチユーザーシステムを使用することになります。このオプションを使用すると、複数のオペレーター制御とモニタリングステーションを協調させて、ネットワーク型のオートメーションシステムと一緒に動作させることができます。サーバーは接続先のクライアントに対して、プロセスやアーカイブのデータ、メッセージ、画像、ログを送信します。あるオペレーターステーションでのオペレーターの操作結果、たとえば値の変更やメッセージの確認に関する情報を、他のすべてのオペレーターステーションで即座に利用できるようになります。
利点
シングルユーザーシステムからクライアント/サーバーソリューションまでの統合型の拡張容易性
複雑度の高いSCADAアプリケーション向けの経済的なソリューション
わずかな労力で分散型オペレーターステーションの構成が可能
設計およびファンクション
サーバーがオートメーションシステムへの接続を確立し、クライアントとの通信と調整を処理し、統合されたMicrosoft SQLデータベース内ですべてのアーカイブ処理を実行します。WinCCクライアントはサーバーの構成データに直接アクセスします。アクセス権を使用して、オペレーターステーションのユーザーが利用できるファンクションやプラントのセクションを定義します。認証の設定はコンピューターではなくユーザーに関連付けられます。そのため、ユーザーは同じログイン情報を使用してすべてのオペレーターステーションで作業できます。
ライセンス
マルチユーザーシステムを構成するには、以下のライセンスが必要になります。
WinCC RT Professionalライセンスに加えて、サーバー用のWinCC Serverライセンス
クライアントごとに1つのWinCC Clientライセンス
WinCC RT Professionalのオプション
以下の要素を利用することによって、WinCCを使うアプリケーション向けに冗長化してシステムの可用性を向上させることができます。
冗長化サーバー
冗長化通信パス
高可用性コントローラー
WinCC Redundancyは相互に接続された2台のWinCCシングルユーザーシステムまたはサーバーを並列的に動作させ、互いにモニタリングさせるオプションを提供しています。冗長化された対のサーバーのそれぞれに対して、オプションパッケージの配信キットにある2つの冗長化ライセンスのうち1つを適用する必要があります。2台のサーバーコンピューターのうち1台に障害が発生した場合、もう1台のサーバーがシステム全体の制御を引き継ぎます。障害が発生したサーバーが再び動作可能状態になった後、すべてのメッセージの内容、プロセス値、ユーザーアーカイブ、および内部タグがオンラインで同期されます。その結果、全体的なシステム可用性が大幅に向上します。サーバーに障害が発生しても、製造環境をオンラインのまま維持できます。
利点
- 継続的なデータ整合性によるシステム可用性の向上
- サーバーに障害が発生した場合やサーバーへのS7通信が不可になった場合の自動スイッチオーバー
- クライアントから正常なサーバーへの自動スイッチオーバーによる継続的な動作と可視化
- 障害解消後のすべてのアーカイブ(プロセス値、ユーザーアーカイブ)、メッセージ情報、内部タグのバックグラウンドでの自動同期
設計およびファンクション
通常、2台のWinCCステーションまたはプロセスデータサーバーが完全に並列実行されます。つまり、各ステーションには独自のプロセス接続と独自のアーカイブがあることになります。これらのサーバーに接続されるクライアントは必要に応じて分散してサーバーに接続されるため、負荷を軽減できます。2台のWinCCステーションのいずれかに障害が発生した場合、もう1台がメッセージ、プロセスデータ、ユーザーデータのアーカイブ処理を引き継ぎます。そうすることで、完全なデータ整合性が確保されます。クライアント/サーバーモードでは、クライアントは自動的に障害の発生したサーバーから冗長化された対のサーバーへと切り替えられます。そのため、すべてのオペレーターステーションで継続的なプラントの可視化と動作が可能になります。
障害の発生したサーバーがリストアされた場合、アーカイブ済みのすべてのプロセス値、メッセージ(ステータス、確認、リスト、コメントを含む)、障害発生中のユーザーアーカイブのデータ、および内部タグが、実行中のシステムに影響を及ぼすことなく、バックグラウンドで自動的に同期されます。同期が完了すれば、同等の2台のサーバー/ステーションが再び利用できるようになります。サーバーに接続されているクライアントは元の対のサーバー間で再び分散されるようになります。冗長化サーバーへの自動スイッチオーバーは、サーバーに障害が発生したときに加えて、S7プロセスの通信が中断された場合やアプリケーションに障害が発生した場合にも実行されます。
システム可用性を一層強化
WinCC Redundancyオプションによる2台のサーバーを接続して並列で使用するオプションに加えて、WinCCアプリケーション内でコントローラーへの通信チャンネルを冗長化するように設計することもできます。その場合、2つの通信プロセッサーが組み込まれ、通信パスが二重化されます。フェールセーフのSIMATIC S7コントローラーを必要に応じて使用することによって、制御レベルの可用性を一層強化することができます。システムソリューションを組み合わせることで、さらに高い要求に対応できるセキュリティコンセプトを構築できます。
ライセンス
WinCC Redundancyオプションには、2台の冗長化サーバー用のライセンスが含まれています。他の必要なライセンスに加えて、2台のサーバーのそれぞれに対してRedundancyライセンスが必要です。
効率的なデータマネジメントのためのオプション
製造工程全体を通じてデータの一貫性を確保することが、システムの透明性のための前提条件であり、生産性を高めるための鍵にもなります。
効率的なデータマネジメントのためのWinCCオプションを使用することにより、柔軟なレシピマネジメントに加え、製造データのローカルアーカイブ処理、あるいはITシステムおよびMES/ERPシステムへのインターフェースとしての一元的なアーカイブ処理のセットアップが可能になります。
SIMATIC HMIパネルのランタイムシステムに搭載、WinCC RT AdvancedおよびWinCC RT Professionalのオプション
WinCC Loggingによるプロセスデータとアラームのロギングでは、産業用プラントやマシンからのプロセスデータの収集と処理がサポートされます。ロギングされたプロセスデータを評価することによって、産業プロセス(製造、加工、プロセスなど)の動作ステータスに関する情報が得られます。
プロセスシーケンスの文書化、設備稼働率や製造品質のモニタリング、繰り返す障害状況のロギングなどが可能です。
利点
危険および障害の状況を早期に検知
予測的な診断によってダウンタイムの発生を回避
定期的なログの評価によって製品の品質と生産性を改善
設計およびファンクション
プロセスデータのロギング
外部タグと内部タグからの値をプロセスデータログに保存できます。各タグの保存先となるログを個別に指定できます。ロギングサイクルを設定し、それを使用してタグ値を継続的に収集、保存できます。
また、データロギングをイベントによって(たとえば値が変更されたときに)始動させることもできます。これらの設定は、各タグに対して個別に行うことが可能です。
アラームのロギング
WinCC Loggingでは、アラームをロギングし、産業用プラントの動作状態とエラー状態を文書化することもできます。あるアラームクラスのすべてのアラームが同じアラームログに保存されます。原則として、複数のアラームクラスに同じログを割り当てることができます。アラームは自動的にロギングすることも、オペレーターが管理することも可能です。
以下のログのバリエーションを使用できます。
短期アーカイブ
セグメント化短期アーカイブ
レベル依存システムアラーム付き短期アーカイブ 1)
フルになったときにシステムファンクションを実行する短期アーカイブ 1)
トレンド表示
設定可能なトレンド表示を使用して、画面の設定時に、ロギングされたプロセス値を表示して分析することができます。読み取り用のラインによって値が読み取りやすく表示されます。
1) WinCC Runtime Professionalでは使用不可
ライセンス
以下のライセンスが提供されています。
- SIMATIC WinCC Logging for Runtime Advanced
- SIMATIC WinCC Logging for Runtime Professional 1500ロギングタグ
- SIMATIC WinCC Logging for Runtime Professional 5000ロギングタグ
- ライセンスは追加可能で、表記の個数分ロギングタグの総数が増加
SIMATIC HMIパネルのランタイムシステムに搭載 - WinCC RT AdvancedおよびWinCC RT Professionalのオプション
レシピとは、同じようなグループに属するデータのコレクションです(マシンパラメーター設定、製造データなど)。レシピのデータ構造は固定されています。レシピの構造は構成時に定義します。1つのレシピは複数のレシピデータレコードで構成されます。これらのレコードの値は異なりますが、その構造に違いはありません。
利点
コントローラーへの容易なレシピ伝送
わかりやすいデータエレメントの表形式表示
複数のプロセス画像にわたる技術的なコンテキストに沿った表示
他のツール(MS Excelなど)で処理するためのデータレコードのエクスポート/インポート
設計およびファンクション
SIMATICパネルとWinCC Advanced RTでは、HMIデバイスまたは外部ストレージメディアにレシピが保存されます。
WinCC Professional RTでは、SQLデータベースに保存されます。
プロジェクトの早い段階であるエンジニアリングフェーズから、レシピ用にさまざまなデータレコードを作成できます。そのため、構成をランタイムに転送した直後からレシピを利用できます。このデータを最初の基盤として使用してランタイム時に最適化することも、最適化の結果としてこのデータを使用することもできます。動作中もデータレコードを異なるビューにわたって作成、削除、変更できるため便利です。また、レシピデータをランタイムからインポートし、ランタイムにエクスポートすることもできます。
HMIデバイスからエクスポートしたレシピデータを他のHMIデバイスで使用するオプションに加えて、エンジニアリングに対して再インポートすることも可能です。再インポートされたデータは、プロジェクトとともにロギングすることも、他のプロジェクトで再利用することもできます。
ランタイムでのデータの表示と管理のために、自由に設定可能な画面オブジェクトが使用されています。必要な場合は、複数のプロセス画像にわたる標準入出力フィールドとして、個別のデータレコードエレメントを直接表示することもできます。このようにすることで、技術的な視点のデータをオペレーターにわかりやすく提示することができます。
レシピは以下のような状況で使用できます。
手動生産
目的のレシピデータをHMIデバイス上で選択して表示します。このデータを必要に応じて変更して、HMIデバイスに保存します。その後、このレシピデータがコントローラーに転送されます。自動生産
制御プログラムによってPLCとHMIデバイスの間でレシピデータの転送が開始されます。HMIデバイスからこの転送を開始することも可能です。すでに調整された状態で製造されることになります。データの表示や変更は必須ではありません。指示モード
軸位置、充填量などの製造データをシステム上で手動で最適化します。その後、設定された値がHMIデバイスに転送され、レシピデータレコードに保存されます。後日、この保存されたレシピデータを転送してコントローラーに返すことができます。
ライセンス
WinCC Runtime Advancedの場合:すべてのオペレーターステーションに対してライセンスが必要
WinCC Runtime Professionalの場合:サーバー用のライセンスが必要
最大限の透明性
製造の柔軟性を確保するためには、社内のすべてのレベルにわたる迅速な情報フローが必要になります。
情報マネジメントのためのWinCCオプションには、ターゲット集団指向のレポートと評価、いつでもどこからでも利用できる柔軟な動作コンセプト、システム規模およびインターネットベースのSCADA機能があるため、透明性のある製造が可能になります。
SIMATICパネルおよびWinCC RT Advancedのオプション(バージョンにご注意ください)
WinCC Sm@rtServerオプションによって、産業用イーサネットまたはイントラネット/インターネット経由で、SIMATIC HMIシステムのリモートでのオペレーター制御とモニタリングが可能になります。このオプションではシンプルなクライアント/サーバーメカニズムを利用できるため、HMIおよびオートメーションタスクで革新的なコンセプトの基盤を構築できます。
利点
広大な範囲に及ぶ大規模マシンを制御するための分散型オペレーターステーション
どこからでもオペレーターステーションにアクセスできる柔軟なソリューション
保守、メンテナンス担当者によるマシン/プラントへのグローバルアクセス
設計およびファンクション
現場の操作ステーションには基本的に2種類の方法でアクセスできます。
Sm@rtClientコンセプト経由での画面の表示と操作
Sm@rtClientコンセプトの範囲内で、あるステーションの画面に別のステーションからアクセスできるようになります。その場合、最初のステーションがSm@rtServerのファンクションを担当し、別のステーションがSm@rtClientのファンクションを担当します。このサーバーファンクションは、デバイスの設定時にマウスをクリックするだけで非常に簡単に有効化できます。画面はSm@rtClientディスプレイによってSm@rtClient上で「参照のみ」モードで表示できますが、調整済みの本格的なオペレーターコンソールをセットアップすることもできます。「調整済みオペレーション」とは、いかなるときでも操作権限のあるステーションは1か所のみ(Sm@rtServerファンクションのあるオペレーターステーションか、Sm@rtClientファンクションのあるオペレーターステーションのいずれか)であることを示します。ベーシックハードウェアの種類に応じて、Sm@rtServerでは、最大5つのクライアントに対して同時に更新済みプロセス画像を送信できます(PC、パネルの場合の最大クライアント数は3台です)。1つのチャンネルを常に保守用に予約しておく必要があります。
分散型オペレーターステーション
地理的に分散された大規模なマシンおよびプラントの操作も容易になります。分散型オペレーターステーションはSm@rtClientコンセプトによって、オペレーターがさまざまな場所から制御、モニタリングできる形で構成できるからです。その際に必要な構成作業は1回のみです。したがって、構成への変更は、Sm@rtServerに対して1回実行するだけで完了します。オペレーターに対しては、どのオペレーティングステーションでも同じ表示になります。ただし、あらゆる時点で、操作可能なステーションは1つのみです(調整済みオペレーション)。
Internet Explorerを介したリモート制御
SIMATICパネルまたはWinCC Advanced RTのリモート操作とモニタリングには標準ブラウザーで十分です。ユーザーは標準ブラウザーを使用して、オペレーティングステーションの標準HTMLページから現場のHMIデバイスに直接アクセスできます。ブラウザーの代わりにSm@rtViewerを使用する場合、選択した画面だけでなく、現場のデバイスのレイアウト(例:キーパッドデバイスのメンブレン面)も表示されます。このツールを使用すれば、ユーザーが現場にいるかのように操作できます。ただし、キーが実際に作動するのではなく、マウスのクリックによって操作します。
ライセンス
サーバーHMIデバイス(パネルまたはRT Advancedシステム)に対してはシングルライセンスをインストールする必要があります。
ランタイムオプション構成用のエンジニアリングシステムに対してはライセンスは必要ありません。WinCC Runtime Advanced V14 SP1より、Sm@rtServerの機能はランタイムソフトウェアに含まれるようになり、個別のライセンスは不要になりました。
それより前のWinCC Runtime Advancedのバージョンについては、以下の表を参照してください。バージョンV14のランタイムモジュール付きのSIMATICコンフォートパネルおよびモバイルパネルについては、Sm@rtServerライセンスは不要になりました。ベーシックパネルと、V14より前のランタイムモジュール付きのコンフォートパネル/モバイルパネルには、対応するライセンスが必要になります。
WinCC RT Professional、WinCC V7のオプション
WinCC/WebNavigatorを使用すれば、WinCCプロジェクトに修正を加えることなく、インターネットまたは社内イントラネット経由でのプラントのオペレーター制御およびモニタリングが可能になります。
一般的にはWAN(Wide Area Network)で使用されますが、それに加えて低コストの用途も実現できます。その事例として、構造や用途が高度に分散され、プロセス情報に散発的にアクセスする、上下水道業界のソリューション(ビルマネジメント)が挙げられます。また、LAN上での通常のオペレーターステーションとして、Webクライアントを使用することもできます。
利点
Webベースの並列オペレーター制御およびモニタリング(MS Internet Explorer)
統合された構成とユーザー管理/アクセス認証
使用言語、プラント(ユニット)ビューなどのユーザー固有の機能
優れた更新速度(値の変更後、画像の変更後など)
ソフトウェア管理の一元化によるメンテナンスコストの最小化
高度なインターネットセキュリティ規格
セキュアなWinCC Web Viewerアプリケーションを使用したリモートモニタリング
幅広いプラットフォーム(PC、現場のパネル、モバイルPDA)に対応した柔軟なシンクライアントソリューション
WebDiagnosticsサーバー/クライアントによる効率的なリモート診断
WinCCとWebサーバーの分離によるセキュリティと可用性の向上
Webサーバーファーム(負荷分散)による最大限の可用性とパフォーマンス
設計およびファンクション
すべてのWebオペレーターステーションがシステムのユーザー管理へと統合されます。オペレーターにプラントのモニタリングだけを許可するのか(参照のみ)、オペレーター制御およびモニタリングを部分的に、あるいは完全に許可するのかについては、認証レベルによって決定します。ログインとログアウトはすべてシステムイベントによってトレース可能です。非常に厳しいセキュリティ要件がある場合、セキュリティの観点から、ユーザー定義の時間が経過した後にログアウトさせることが、入力キー組み合わせを無効化することと同じく重要です。さらに、WebNavigatorでは、ルーター、ファイアウォール、プロキシサーバー、SSL暗号化、VPNテクノロジなどの一般に利用されるITセキュリティメカニズムのすべてをサポートしています。
オーダーメイドのセキュリティコンセプト
すべてのWebオペレーターステーションがシステムのユーザー管理へと統合されます。オペレーターにプラントのモニタリングだけを許可するのか(参照のみ)、オペレーター制御およびモニタリングを部分的に、あるいは完全に許可するのかについては、認証レベルによって決定します。ログインとログアウトはすべてシステムイベントによってトレース可能です。非常に厳しいセキュリティ要件がある場合、セキュリティの観点から、ユーザー定義の時間が経過した後にログアウトさせることが、入力キー組み合わせを無効化することと同じく重要です。さらに、WebNavigatorでは、ルーター、ファイアウォール、プロキシサーバー、SSL暗号化、VPNテクノロジなどの一般に利用されるITセキュリティメカニズムのすべてをサポートしています。
シンクライアントソリューション
Microsoftターミナルサービスを使用して、低価格、低性能のWindows PCと、現場の堅牢なデバイス(SIMATICシンクライアントなど)およびモバイルクライアント(PDA - 携帯情報端末)をシンクライアントソリューション経由で接続できます。WebNavigatorクライアントを含むアプリケーション全体がターミナルサーバー上で実行されるため、ハードウェアの必要条件は最小限になります。
シーメンスはオペレーター用端末として、高精細ワイドスクリーンタッチディスプレイが付属する堅牢なSIMATIC Industrial Thin Clientを提供しています。この製品は、過酷な産業環境での使用に最適です。
柔軟なリモート診断
WebDiagnosticsクライアントは、広範に分散されたプラントのメンテナンスと保守のための設計になっています。ここでは、Webライセンスは、システムサーバーではなく保守用コンピューターにローカルにインストールされる診断クライアントに対して付与されます。保守担当者はこの診断クライアントを通じて、WebNavigatorサーバーのあるプラントであれば何か所でもセキュアにアクセスできます。
ライセンス
WebNavigatorには(サーバー単位での)ライセンスが必要です。これは、Webクライアントの同時アクセス数に基づいた段階的なライセンスであり、追加のWebクライアントライセンスを使用することによって、いつでもライセンス数を増やすことができます。
WebNavigatorクライアントソフトウェアは必要な数だけインストールでき、ライセンスは不要です。
WebNavigator診断には(クライアント単位での)ライセンスが必要です。このライセンスによって、WebNavigatorサーバーのWebNavigator診断サーバーライセンスが付与されたすべてのWebサーバーにアクセスできるようになります。
WinCC/WebUXとWinCC/WebNavigatorのライセンスは、必要に応じて組み合わせることができます。
WinCC Web Navigator V7.3まで
バージョン7.3までのライセンスはライセンス最大数に基づいてパッケージを購入していただくことで管理されていました。このライセンスはパワーパックによってアップグレード可能です。
詳細については、> Industry Mall
WinCC RT Professional、WinCC V7のオプション
WinCC/WebUXは、スマートフォン、タブレット、PC、その他のHTML 5対応ブラウザーをサポートするモバイルデバイス用に開発されました。WebUXを使用するためのクライアント側でのインストール作業は一切必要ありません。
このようにプロセスデータやプラントデータに柔軟にアクセスできるために、現在標準となっているコントロールセンターを拡大できます。また、ユーザーが用途の範囲に応じて単純にモニタリングするかそれとも操作もするのかを選択できます。
製造データに個別にアクセスできるため、ユーザーはプラントのすべての関連データを
- 迅速に
- コスト効率良く
- 狙いを定めて
入手できます。
特定ファンクションの拡張のためのオプション
WinCC RT Advancedとの組み合わせで、規制の影響を受ける産業向けに、ユーザー管理とトレーサビリティに関する要件に対応したオプションをご利用いただけます。
WinCC RT Advancedのオプション、WinCC RT Professionalの配信範囲に搭載
SIMATIC Logonは、管理者側、ユーザー側の双方に対して多数のセキュリティメカニズムを提供しています。ユーザーは、ユーザーID、ユーザー名、パスワードを使用する一般的な方法で一意に識別されます。パスワードの期限、定義済み時間経過後の自動ログオフ、誤った入力を複数回繰り返した後のパスワードブロックといったファンクションによって、最高レベルの操作セキュリティが保証されます。また、管理者がプラントおよびアプリケーションをまたいで新規ユーザーをオンラインでセットアップしたり、ユーザーをロックしたりすることも可能です。
利点
Windows User Managementに統合され、プラントをまたいで一元化されたユーザーマネジメント
管理者側、ユーザー側の双方への対策による高いレベルのセキュリティ
自由に設定可能なログイン手順(キーボード入力、チップカード)
異なる構成で使用可能(シングルユーザーから、クライアント/サーバーシステム、高可用性ソリューションまで)
設計およびファンクション
SIMATIC LogonのユーザーマネジメントはWindowsの安全性システムとユーザーマネジメントに統合されており、それによってFDA要件に対応しています。
構成ツールによって以下のユーザー固有情報を設定できます。
使用言語(ドイツ語、英語、フランス語)
環境:ドメイン、ワークグループ
ログインデバイス:キーボード/チップカードリーダー/その他のデバイス
したがって、ユーザーはキーボードまたはチップカードを使用して、自分の使用言語でログインでき、チップカード内では名前、ドメイン、パスワードが暗号化されます。
SIMATIC WinCC環境では、シングルユーザーステーション、クライアント/サーバー構成などの幅広い構造に対してLogonを使用できます。SIMATIC Logonでは、プライマリ/セカンダリのドメインコントローラーとローカルのWindows User Managementシステムによって高可用性が確保されます。
ライセンス
シングルユーザーステーションでのユーザー管理のセットアップには、SIMATIC Logonベーシックライセンスが必要です。
ユーザー管理に接続するクライアントには追加のリモートアクセスライセンスが必要です。
WinCC RT Professionalの場合、SIMATIC Logonは配信の範囲内にあり、クライアントに追加のライセンスは不要です。
SIMATIC HMIパネル、SIMATIC WinCC RT Advancedのオプション
製造製品と製造プロセスについて高品質の要件がある場合に、あらゆるセクターでオペレーターの行動に関するトレーサビリティの重要性が高まっています。WinCC Auditオプションを付けることで、WinCCは高いレベルでこの目的の達成をサポートします。
WinCC Auditでは21 CFR Part 11に従ってGMP(適正製造規範)およびFDA(アメリカ食品医薬品局)に規定される重要な要件に対応します。
WinCC Auditは、妥当性確認が求められる産業用のマシン製造を容易にします。これらの要件を満たすための重要なファンクションが標準提供されており、そのため個別のマシンやプラントユニットが資格を有していることをサプライヤー側で事前に確認できるからです。
同時に、Audit Trails(監査証跡)は、たとえば食品飲料業界向けEC指令178/2002に規定されている製品品質向上のための製造プロセスの追跡に適しています。
利点
オペレーターの行動がトレース可能に
医薬品業界向けのGMP要件に準拠
(アメリカ食品医薬品局など)エンジニアリングや妥当性確認のオーバーヘッド軽減
高品質要件に対応する必要のある機械メーカーに最適
(妥当性確認を必要とする用途でのマシンおよびプラントコンポーネントの供給など)
設計およびファンクション
プロセス操作において、GMP関連のすべてのタグ変更とあらゆるオペレーターの行動がCSVファイルに監査証跡として記録されます。そのようなオペレーターの行動としては、プロセス値の入力、レシピの開始、アラームの確認などがありますが、ユーザーのログオン、ログオフといったユーザー管理からのアラームも含まれます。この仕組みによって、最小限の構成のオーバーヘッドで、誰がいつ何を操作したかが正確にわかります。また、チェックサム手順を使用して、監査証跡内のデータが改竄されていないことが確認されます。監査証跡にはアジア言語のテキストも格納でき、そのテキストをパネルから直接印刷することができます。
ロギングとレポート
要件に応じて、WinCC Auditではロギングやレポート作成をローカルで(つまりHMIデバイス内で)実行することも、分散システムで一元的に(つまりローカルの制御室内のPCで)実行することもできます。これにより、データの長期アーカイブ処理とリストアのソリューションがサポートされます。
ライセンス
監査証跡が生成されるすべてのオペレーターステーションでライセンスが必要
WinCC Runtime Advancedシステムでは追加のWinCC Loggingライセンスが必要

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