最悪のシナリオ: 企業の事業撤退
製薬産業に携わる企業には、自社のすべての生産プロセスおよびシーケンスに関する関係書類を作成する義務があります。さらに、高度な安全規格に常に準拠することを保証する必要もあります。生産プロセスのドキュメントに不一致があると、ライセンスを失う可能性があります。場合によっては、数十年にもわたる研究が完全に無意味なものになりかねません。最悪のケースでは、企業の存在すら危うくなります。市場投入時間も大きな課題の1つです。製薬産業において研究を行う企業は、製品を可能な限り短期間で市場に送り出す必要があります。なぜなら、特許の期限が切れた途端に、ジェネリック製薬会社との競争にさらされるからです。
シーメンスのCOMOSは、グローバルに実装可能、かつエンジニアリングとオペレーションを最適に統合する包括的なソフトウェアソリューションを提供します。COMOSのオプションソフトウェアの1つであるCOMOS PQM (プロジェクト品質マネジメント)ソフトウェアソリューションは、製薬産業の特殊な要件をも満たすよう拡張されています。COMOSではプラントライフサイクルのすべてのフェーズで、単一のデータベースを情報源として使用します。このソリューションにより、一貫性があり、ペーパレス、かつモバイルの効率的なデータおよびドキュメントマネジメントが可能になります。
規則に常に準拠
安全やコンプライアンスのワークフロー、承認プロセス、およびデータマッピングは、統合された電子データおよびドキュメントマネジメントにより、常に規制に準拠します。これは、アメリカ食品医薬品局の規格である
「21 CFR-Part 11」要件(電子署名、パスワード)にも準拠することを意味します。統合されているGMP/GAMP-5 (製造規範/自動化製造規範)の規格により、ERESや監査追跡記録の規則を含む、最適な製品品質を維持するための生産および検査手順も規制に準拠します。
COMOSは、エンジニアリングとオペレーションのすべてのフェーズで統合されたコンプライアンスマネジメントを提供し、規則に準拠したプラントの稼動を常に維持します。COMOSは設計およびエンジニアリングといった早い段階で、標準化されたテンプレートを基に必要なドキュメント構造を生成します。単一のデータベースと厳密なオブジェクト指向による高いデータ品質と一貫性により、コンプライアンスマネジメントが大幅に簡略化されます。
ブループリントや、プラント、材料、およびサプライヤーの仕様の一貫性は、すべてCOMOSで簡単にチェックできます。運転時適格性確認の試験結果の文書化、アーカイブ、および取得も簡単に行えます。すべてのプロセスが最適にマッピングされ、シームレスな文書化によりエラー率が最低限に抑えられます。また、自動的に生成されるメンテナンススケージュールによって、効率的なプラント監視が可能になります。
社内調査により、COMOSソフトウェアの使用によってエンジニアリングを最大12%削減できたことが分かりました。Christoph Jauslin, Head of Engineering IT, Novartis Pharma AG, Switzerland